3月3日(日)
9:30~12:00 公開シンポジウム 高齢者のための心理療法
1001大講義室
企画趣旨
老年期には要介護状態を左右する心身のグレーゾーンの環境移行の時期があります。その時期には在宅を含む社会システムの中で長期にわたり自立した生活が営まれることとなります。WEB上、医療機関、地域包括支援センターの連携による支援、NPO法人、企業、開業臨床の場で、高齢者の心理療法が提供できる可能性はあるもののその仕組みは、今後より開拓できる余地があるようです。
高齢者を支援する多彩の方法の中でも、心理療法には、薬物のような副作用もなく、侵襲性が少なく無理のない取り組みがこれまで提案されてきました。心理療法には、高齢者同士の相互交流を構成する枠組み重視のものから、プログラム化されたもの、また、心理療法としての知識と技能を駆使して微調整しながら展開していくものと多様な利点のある枠組みがあります。また、環境資源や人的資源に働きかけながら、間接的に働きかけを促していく心理教育的な方法や介護家族に対して導入する方法などもあります。また、個人療法として展開できるものからグループで展開するものなど、高齢者の状況や心理的状態に合わせて多様な形式が挙げられます。今後多様な場で提供できる高齢者むけの主要な心理療法やその実際的な工夫をとりあげ、導入上の留意点・課題、将来の実践の可能性について議論します。
司会 鈴木亮子(椙山女学園大学)
話題提供1 高齢者のための回想法 志村ゆず(名城大学)
話題提供2 臨床動作法による高齢者支援 中島 健一(愛知学院大学)
話題提供3 地域における集団認知行動療法 日下菜穂子(同志社女子大学)
指定討論者 林 智一(香川大学)
松本真理子(名古屋大学)